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ソロモンアイランドグランドボア

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ソロモンアイランドグランドボア(Solomon Island Ground Boa)はカンドイア(Candoia)に属する種の蛇です。
本種は南太平洋の比較的小さなボアの一種です。

本種の特徴

特徴
学名 Candoia paulsoni (STULL, 1956)
英名 Solomon Island Ground boa
和名 ソロモンアイランドグランドボア
分布 ソロモン諸島,インドネシア,パプアニューギニア
亜種 6亜種
基亜種 Candoia paulsoni paulsoni
活動時間帯 夜行性
体長 60~120cm(メスは最大150cm)
体重 300-400g(メスは1.0~1.2kg)
繁殖 胎生
繁殖数 他の種が10匹ほどに対して、C. paulsoniは30~40匹生むこともある

種名paulsoniについて

paulsoniという種名はスウェーデンの爬虫類学者Jhon Paulsoni氏が由来です。

carinata種とpaulsoni種について

2018/11/11現在、en.wikipedia.orgCandoiaSpeciesでは別種とされていますが、Candoia carinataではC. c. paulsoniのままになっているので注意して下さい。

サンタイザベルフェーズについて

en.wikipedia.org/wiki/Candoia_carinataではサンタイザベルフェーズについて以下のように記載されています。

Candoia carinata paulsoni (Stull, 1956)

...省略...

The colour varies from dark brown to auburn, with distinct patterns, though there is also the "paulsoni santa isabella ", which is coloured white.
(体色は濃い茶色から灰色に変化し、特徴的な模様があります。また白い色をしたpaulsoni santa isabellaもいます。)

出典: https://en.wikipedia.org/wiki/Candoia_carinata

とされており、体色によって特別な形態名が付けられる事があると書かれています。

Santa Isabellaは島名ですがロカリティ(採集地)ではないのでない場合があるので注意して下さい。
またWikipediaではサンタイザベラ島(Santa Isabella Island)の名前が使われていますが、イザベルフェーズの正しい語源はサンタイザベル島(Santa Isabel Island)との事です。
繰り返しますが、(イザベル|イザベラ)フェーズ又はサンタイザベル表記の個体の採集地がサンタイザベル島(Santa Isabel Island)がという訳ではありません。

上記に関して、筆者の書き方が悪く「サンタイザベル島が採集地の個体が存在しない」という誤解を与えてしまったので修正しています。
サンタイザベル島が採集地の個体は存在しますし、サンタイザベル島が採集地の個体で派手な体色の個体も恐らく存在します。
ですが派手な体色の個体の多くにサンタイザベルの名が付けられる事があり、それがロカリティと混同されているという主旨となります。

元々はpaulsoniに限らず多くのグランドボアの中から特に派手な体色(主に白色)をした個体をイザベルフェーズ(Isabel Phase/Phaseは形態)と選別していたのが、いつの間にかロカリティと誤認されて出回るようになったとの事です。
語源になった事もありイザベル島に白い個体が居るのではないか?と考えられていますが、現地で白い個体を見つけられなかったという話もあるようなので、ロカリティとは考えない方が良いと思われます (識者談).

参考: Available Solomon Island Ground Boas (Adult Female and Juvenile Isabel Phase)

背面の模様について


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本種の外見上の特徴であり、筆者が一番好きなのがこのギザギザとした模様になります。

フルストライプについて


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Photo By iori@geckoholic 2018-11-24

本種の特徴はギザギザとしたストライプですが、この画像の様にフルストライプの物が存在する事が確認されました。
これは筆者が飼養している個体ですが、世界中探してもソロモングランドボアのフルストライプは非常に稀のようです。

亜種/Subspecies

Candoia paulsoniは6つに分類されたCandoiaの亜種の一つです。

  • Candoia paulsoni paulsoni(STULL 1956)
  • Candoia paulsoni vindumi(SMITH & CHISZAR 2001)
  • Candoia paulsoni tasmai(SMITH & TEPEDELEN 2001)
  • Candoia paulsoni mcdowelli(SMITH & CHISZAR 2001)
  • Candoia paulsoni sadlieri(SMITH & CHISZAR 2001)
  • Candoia paulsoni rosadoi(SMITH & CHISZAR 2001)

大まかな分布


本種は地図左のインドネシアから中央のパプアニューギニア、右のソロモン諸島にかけて広く分布されています。
亜種を大まかな分布で分けると

  • ソロモン諸島: C. p. paulsoni
  • インドネシア: C. p. tasmai
  • パプアニューギニア: C. p. vindumi, C. p. macdowelli, C. p. sadlieri, C. p. rosadoi

となります。
以下でより詳細な標本採集地(Type Locality)を記載していますが、これはCandoia paulsoni | The Reptile Databaseを参考にしたものとなります。
こちら記載されている以外の場所でも見つかっている例もありますので、例えばソロモン諸島にC. p. paulsoniしか分布していないという訳ではなく、あくまで標本が採集された場所となります。詳細な分布は依然として不明です。

C. p. paulsoni

項目 地域
標本採集地 Ugi Island, Solomon Islands

標本採集地はソロモン諸島の島の一つであるUgi Islandです。


C. p. vindumi

項目 地域
標本採集地 Kunua Bougainville Island

採集地はパプアニューギニアの島の一つであるブーゲンビル島(Bougainville Island)にある地域Kunuaです。


C. p. tasmai

項目 地域
分布 Halmahera, Sulawesi
標本採集地 Kampung Loloba, Halmahera

分布はインドネシアのハルマヘラ島(Halmahera)とセレベス島(Sulawesi)です.

ハルマヘラ島

セレベス島

C. p. mcdowelli

項目 地域
分布 Papua New Guinea
標本採集地 Sogeri, Papua New Guinea (Smith et al., 2001)

分布はパプアニューギニア。
標本採集地はパプアニューギニアのSoregiになります。


C. p. sadlieri

項目 地域
標本採集地 Guasopa, Woodlark Island.

標本採集地はパプアニューギニアのウッドラーク島(Woodlark Islandguasopaになります。


C. p. rosadoi

項目 地域
標本採集地 Bwagaoia village, Misima Island (Smith et al., 2001)

標本採集地はミシマ島(Misima Island)のBwagaoia villageになります。


インドネシアについて


13,466の島々からなり、最後の楽園バリ島もそのひとつ。330以上の民族が住み、多彩な宗教、風俗習慣、伝統芸能があります。

気候

平均気温が最も低いのが1月の27.8度、最も高いのが10月の29.5度になります。
11月から3月までが雨季となり、4月から10月までは乾季になります。

よって飼育温度はケージ内の基本的な温度が27度が良いと思われます。
ホットスポットが必須かは不明ですが、広いケージや上手に温度勾配が付けることが出来るなら30度以下のホットスポットがあっても良いかもしれません。

赤道直下のインドネシアは熱帯性気候に属し、乾季と雨季に分かれます。雨季でも、日本の梅雨のようにずっと降り続くことはなく、突然降り出し、さっと止むスコールです。

https://www.hankyu-travel.com/guide/indonesia/country.php

パプアニューギニアについて


気候

平均気温が最も低いのが7月の25.7度、最も高いのが11月の32.5度となります。
インドネシア、ソロモン諸島と比べると年間の寒暖差が比較的あると言えるでしょう。

また12月から4月までが雨季のようです。

参考: http://www2m.biglobe.ne.jp/ZenTech/world/kion/Papua_New_Guinea/index.htm

ソロモン諸島について


ソロモン諸島は南西太平洋のニューギニア東方の100余の島々で構成している島嶼国家です(参考:ソロモン諸島 - Wikipedia)。

気候

ソロモン諸島の気候は年間を通してあまり変化がなく、常に温暖な気候のようです。

ソロモン諸島は年間を通して高温多湿の海洋性熱帯雨林気候。赤道の南側になるので、日本と寒暖の季節は逆ですが、月平均気温は24.8度(7月)から26.3度(1月)とあまり変化はありません。

ソロモン諸島について|ソロモン諸島政府観光局日本事務所 http://visitsolomons.or.jp/about.html

また上記のサイトによれば11~4月が雨季にあたるとの事なので、彼らに季節を感じてもらう為に11月~4月は霧吹きを通常より多めにすると良いかもしれません。

生態

飼育方法

温度

インドネシア、パプアニューギニア、ソロモン諸島の気温については上述したとおりになります。
飼育個体、又は飼育個体の祖先がどの地域かわかる場合はそちらに合わせれば問題ないと思います。

それらが解らない場合は3つの地域の気温を考慮して、考えると良さそうです。

3地域を考慮すると、温度勾配を付ける場合は昼間は基本温度26度でホットスポットが30度くらいになると思われます。
平均気温が27度だとしても木陰などは涼しいはずですし、日中はこのくらいで問題なさそうです。

ただしホットスポットが必須なのか、合ったほうがいいのか、全く無くても問題ないのかは不明です。
ホットスポットを使わない場合はケージ全体の温度を26度前後にすると良さそうです。

夜間はホットスポットのライトは切り、暑い時期(乾季)は24度、寒い時期(雨季)で22度くらいが各地域の最低気温に近くなります。

クーリングについて

寒い時期の最低気温でも22度くらいとの事なので、クーリングをするにしても22度を下回る必要は無いように思われます。
百葉箱で計った最低気温が22度だとしても、本種が隠れているであろう木陰や枯れ葉の下等はもっと温度が低いでしょうから、様子を見ながら温度を下げる必要があるかもしれません。

本種で22度を下回るような温度だと、呼吸器にダメージを与える可能性があるので危険かもしれないとご指摘がありました。

湿度

本種は水入れに好んで入るという話もありますが、ケージ側面の水を舐める個体も居るようなので基本的に1日1回は霧吹きが必要になると思われます。
ソロモン諸島などは年間を通じて気温がほぼ同じですから、4月から10月に関しては1日~2日に1回、11月から3月に関しては1日に2回か3回霧吹きをする事で乾季と雨季を再現し、個体が季節を感じる事が出来るかもしれません。

紫外線

本種は夜行性になりますので、紫外線灯は不要と思われます。
ですが常に真っ暗な環境では生活リズムが狂う可能性があるので、直射日光は避けるとして昼は外から個体が確認出来る程度の光は必要と思われます。

参考資料