学名(binomial name)とは世界共通の生物の種や分類に対して付けられる名称です。
命名には規約(ルール)があり、国際動物命名法審議会(International Commission of Zoological Nomeclature)が著作者となります。
最新規約(1999年)の第4版ではそれ以前までと異なり使用する言語の拡大を目指しており、記載するのにラテン語等が必須ではなくなっています。
一般勧告において「広く通用する言語で書かれた要約を掲載するべき」であると言及するのみ。
1. 命名者と年号について
種名の後ろにその命名者の名前と命名の年号をつける事はよくありますが、必須ではありません。
種名の後ろの名前と年号は括弧無し、括弧ありがあります。
1.1 括弧なし
括弧なしの学名の例として、例えばダイオウトカゲモドキはEublepharis fuscus BÖRNER, 1974となります。
この学名から解る事はBÖRNER氏が1974年にこの種を新種として記載し、その後もずっとこの種名が使われている事を示しています。
1.2 括弧あり
括弧ありの学名の例は、ヒョウモントカゲモドキのEublepharis macularius(BLYTH, 1854)があります。
この学名から解る事はBLYTH氏が1854年にこの種を新種として記載したが、そのときの属名はEublepharisではなかった事を表しています。
THE REPTILES DATABASEを調べた所、元はCyrtodactylus(ホソユビヤモリ)属に分類されていた様です(Cyrtodactylus macularius BLYTH 1854 / こちらを参照)。
1.3 括弧なしの別ケース
括弧なしの学名でもクレステッドゲッコーのようにCorrelophusからRhacodactylusに変更され、またCorrelophusに戻ったケースもあります。
クレステッドゲッコーの学名はCorrelophus cilliatus GUICHENOT, 1866となり、学名だけでは一時期Rhacodactylus属とされていた事は分かりません。