ヒョウモントカゲモドキの遺伝の連鎖と組み換えについて
貸して頂いたクリーパーNo.56を漸く読めました。
連鎖についてはなんとなく感覚的にしか理解出来ていなかったのですが、漸く読むことが出来ました。
遺伝学における連鎖では、メンデルの法則だけでは説明出来ない、独立の法則に反する様な遺伝について説明することが出来ます。
以下では遺伝子座においてある対立遺伝子(a)がホモ接合である場合はa/a,ヘテロ接合である場合は+/a,ノンヘテロの場合は+/+と表記しています。
またクリーパーNo.56を多分に参考させて頂いていますm(_ _)m
独立の法則の復習
独立の法則はある形質を表現する遺伝子は、他の遺伝子に影響される事なく独立して遺伝する法則です。
例えば個体Aがトレンパーアルビノ(ta)をホモ接合で有しており、これをマーフィーパターンレス(pa)をホモ接合で有している個体と交配するとします(両方共それ以外はノンヘテロとします).
そうすると生まれてくるF1世代は100%の確率でワイルド hetマーフィーパターンレス,トレンパーアルビノとなります。
このF1世代同士を交配させると、モルフ計算機での計算結果のような確率でF2世代が得られることになります.
これはトレンパーアルビノとマーフィーパターンレスの遺伝子が、お互いに影響を与えずに独立して遺伝する事で成立する確率となります。
連鎖とは
しかし実際にトレンパーアルビノとマーフィーパターンレスのコンボモルフは簡単には作出されなかった様です。
上記の画像では、計算上トレンパーアルビノマーフィーパターンレスは6.3%つまり1/16で生まれてくる筈です。
ですが実際にはこのコンボモルフは0.5%以下の確率でようやく得られる様です。
このような独立の法則に反した遺伝法則の一つが連鎖と呼ばれる現象です。
メンデルが扱ったエンドウ豆の7つの形質はどれも、恐らく偶然に全て独立した遺伝子だったようです。
連鎖が起こるパターン
まず独立の法則が当てはまるのは、遺伝子座が別の染色体にある場合、又は同一の染色体の場合でも遺伝子座の距離が遠い場合です。
正確には
- 染色体が別なので独立するモルフ
- 染色体が同じで距離が違いので連鎖するモルフ
- 染色体が同じでも距離が遠いので独立に見えるモルフ
の3パターンがあります。
配偶子が作られる際に染色体が別だと独立の法則が当てはまり、ホモ接合だと確実に1つ遺伝子が遺伝子ヘテロ接合だと50%の確率で1つ遺伝子が遺伝します。
染色体が同じでも、距離が遠いと上記とほぼ同じ確率で遺伝するようです。
ですが染色体が同じで遺伝子座の位置が近い場合、この法則が当てはまりません。
組み換え
では低い確率で同一染色体上の近い距離の二つ遺伝子座が、どちらもホモになる場合があるのは何故でしょうか。
それは組み換えと呼ばれる現象が起こるからです。
一定の確率で染色体、またはその本体であるDNAに繋ぎ替え(交差)が起こります。
その結果としてモルフ感の組み換えが起こることになります。
つまり+/ta, +/pa同士をかけ合わせてta/ta, pa/paが生まれるという事です。
この確率が0.5%くらいになるようです.
自分で計算はしてない!( ー`дー´)キリッ
イメージとしては、染色体を構成する遺伝子座の組み合わせが組み替わり、狙い通りにta/ta, pa/paになる確率が0.5%といった感じのようです。
逆に一旦この組み合わせが得られると、独立の法則よりも高い可能性(50%以上)でta/ta, pa/paの組み合わせが得られる様です。