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ヒョウモントカゲモドキ

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ヒョウモントカゲモドキ(Eublepharis macularius)は日本でも多くの人にペットして人気がある、トカゲモドキ属に分類されるヤモリの仲間です。
英名のレオパードゲッコー(Leopard Gecko)を略したレオパの愛称で親しまれています。

ペットとしての歴史は1970年頃からと犬猫に比べると非常に歴史が浅いですが、飼育・繁殖の容易さからエキゾチックアニマルの入門種として人気があります。
入門種とは言っても希少なモルフや系統は数10万~100万円になるものもあり、決して入門種=チープという意味ではありません。

ヒョウモントカゲモドキの特徴

日本に住む我々が「ヤモリ」と聞いてイメージするのは、壁をちょろちょろするいわゆる「壁チョロ」ではないでしょうか。しかしヒョウモントカゲモドキには指先に趾下薄板がないため、壁面などに貼り付かずに地表を歩行するなどの特徴を持ちます。

またニホンヤモリとは違いまぶたを持ち、まばたたきや眠る時や眩しい時にはまぶたを閉じます。

分布

ヒョウモントカゲモドキの原産地はインド,イラン,イラク,アフガン,パキスタンとなります。いわゆるワイルドと呼ばれる野生の採取個体は原産地の政治情勢等の理由により、現在は全く無いと言えます。

入門種として人気の理由

現在エキゾチックアニマルの人気が高まりつつあり、専門店では多くの種を購入する事ができます。
その中でも入門種として一番におすすめされるのが「ヒョウモントカゲモドキ」と「フトアゴヒゲトカゲ」です。

特にヒョウモントカゲモドキは初めてエキゾチックアニマルを飼う方におすすめされるのではないでしょうか。
その理由が以下のような特徴があるからです。

  • 丈夫さ
  • 入手の容易さ
  • (他のエキゾチックアニマルと比較して)飼育の容易さ
  • 繁殖の容易さ
  • 飼育ケージが大きくなくてよく、特殊な紫外線灯等が不要

丈夫さ

もちろん雑に扱って良いという意味ではないですが、他の爬虫類と比べると非常に丈夫な種となります。
エキゾチックアニマルの世界で「丈夫」というのは、原因不明の拒食や急死がない(少ない)という意です。

爬虫類は元気そうに見えてもいきなり餌を食べなくなったり、そのままだと死んでしまうのに意地でも水すら飲まなくなりそのまま無くなってしまう場合があります。

爬虫類は犬猫に比べて家畜化が進んでおらず、非常に神経質な種が多いです。
そういった種をストレスを与えず美しく健康に飼育するのは、我々にとって非常に心動かされる事です。

ですが飼育方法が確立されていない種は、何十年も飼育している経験者にとってもやはり難しいものです。

その点ヒョウモントカゲモドキはペットリザードとして飼育が確立されており、他の種よりもそういった事が非常に少ないです。
もちろんヒョウモントカゲモドキも怪我をしますし病気にもなります。
ですがこの丈夫さは特筆すべきものです。

入手の容易さ

ヒョウモントカゲモドキは最も一般的なモルフであれば、年間を通して容易に入手することが出来ます。
価格も1万円前後と手を出しやすい価格ではないでしょうか。

飼育の容易さ

「丈夫さ」でも触れましたが、ヒョウモントカゲモドキは他のエキゾチックアニマルに比べると飼育難易度が低いです。

餌であるコオロギやワーム類、新鮮な水、シェルター、清潔な環境、床材、25度以上32度以下の温度であれば問題なく飼育出来ます。
また飼育用のケージも最低20×30×16cm(幅X奥行X高さ)があれば問題ありません。

爬虫類用のケージは大きさが必要な事が多いですが、ヒョウモントカゲモドキの必要とするケージの小ささは日本家屋でも複数置けるのでコレクションを楽しむ事も容易です。

繁殖の容易さ

ヒョウモントカゲモドキは繁殖の容易さも特筆すべき点です。

他のエキゾチックアニマルでは繁殖に至るまでに色々な条件をクリアしなければなりません。
ですがヒョウモントカゲモドキの多くは、雌雄のペアを同じケージに入れるだけで生殖行為に至る事が多いです。

特に近年ではクーリングと呼ばれる冬眠させる事もしなくても生殖行為に至る事から、クーリングすらせずに繁殖を成功させているブリーダーが主流となっています。確実に発情させるためにクーリングをするブリーダーも多いですが、クーリング不要というのは飼育者にとって安心して繁殖に挑める事になるでしょう。

特殊な器具が不要

ヒョウモントカゲモドキは夜行性なので、紫外線灯が不要です。
むしろ暗い場所を好むので強い光はストレスになりますし、色が褪せる原因にもなります。

必要となるのは

  • ケージ
  • シェルター
  • 床材
  • 底面ホットヒーター
  • 水入れ

となります。

マニアを虜にする多種多様なモルフ

ヒョウモントカゲモドキにはノーマルと呼ばれる見た目だけではなく、100を優に超える様々なモルフがあります。

モルフには大きく分けて

  • 選択交配による量的遺伝のモルフ
  • 単一モルフ
  • 複合モルフ

があります。

選択交配による量的遺伝のモルフ

選択交配による量的遺伝のモルフとは、例えばオレンジの発色が強い個体同士を何代も掛け合わせよりその特徴(オレンジ)の強い個体を生み出すような事を指します。

オレンジ系を総じてタンジェリンと呼びますが、各ブリーダーによって色々な名前が付けられています。

等有名なものでも10を超え、世界中で各ブリーダーが付けた名前は編纂し切れないほどです。

面白いのがヒョウモントカゲモドキのオレンジの遺伝子は単一ではないため、例えばタンジェリントルネードと別のラインの個体を掛け合わせてもその子が親より濃い特徴には一般的にはならないです。

ですが近親交配を繰り返すと(ヒョウモントカゲモドキに限らず)先天性の病気や障害が発生する可能性が高まります。

よって遠い血を入れる必要が出て来るのですが、タンジェリンに限ればこの血縁関係の遠い種としてエメリンが注目されています。
エメリンはオレンジをより濃くする特徴があると言われており、尚且つラインに新たな血を入れられる事で近親交配のリスクを下げることが出来ます。

単一モルフ

1つの特徴だけを持つモルフとなります。

これら単一モルフが複数重なって表現されたものがコンボモルフとなりますので、レオパードゲッコーのコンボモルフを把握するには基本となるこれら単一モルフをよく理解する必要があります。

これらは

  • アルビノ(チロシナーゼ(黒色遺伝子)の抑制)
  • リューシスティック(白化)
  • 体色や斑紋の変化・特徴
  • 目の変化
  • 体格の変化

のような特徴を持っています。
アルビノには3種類、リューシスティックには2種類、と各特徴にもいくつか種類があります。
具体的にはヒョウモントカゲモドキのモルフ一覧をご覧下さい。

複合モルフ

コンボモルフとも呼ばれ、単一モルフの遺伝子を複数持つモルフになります。
例えばスーパーマックスノーエクリプス両方の遺伝子が表現されている個体はトータルエクリプスと呼ばれます。

遺伝子の組み合わせによるコンボモルフは日々増えていると言ってもいいくらいです。
コンボモルフだけで100を超えるモルフがあります。

こちらも具体的にはヒョウモントカゲモドキのモルフ一覧をご覧下さい。