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ボールパイソンの主な共優性遺伝モルフ

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共顕性(共優性)遺伝は遺伝子座に該当遺伝子が一つだけある場合(ヘテロ接合)でも、形質が表現されます。
しかし2つ揃った状態(ホモ接合)は、より強く形質が表現されます。

爬虫類コミュニティでは共顕性(共優性)遺伝の遺伝子が2つ揃っている状態をスーパー体と呼びますが、これは遺伝子学で一般的な名称では無い事に注意して下さい。コミュニティでは通じる単語ですが、爬虫類に関係ない育種家や一般的な遺伝子学の場では通じない可能性が高いです。

また爬虫類コミュニティで共顕性(共優性)遺伝とされているモルフが本来は共顕性(共優性)遺伝ではなく不完全顕性(優性)遺伝と分類するのが正しいモルフもありますが、以下では慣習に従い共顕性(共優性)遺伝に分類して扱っています。

この話題について詳しくは優性の法則と拡張のまとめを参照してください。

バナナボール(コーラルグロウ)/Banana Ball(Coral Glow)

特徴
作出者 Will Slough(NERD)
発見年 2003年(2002年)
モルフ分類 カラーモルフ
モルフ特徴 バナナボールとコーラルグロウは別系統の同じ遺伝子
a.k.a

バナナボール(Banana Ball/又は単にバナナ)はT+アルビノリューシスティックの中間のような形質のカラーモルフです。

淡い紫色の基調色に、蛍光感のある黄色の模様が特徴的です。
また全体的に薄っすらと白くなり、体の所々に黒く小さな斑点が散らばります。

コーラルグロウ(Coral Glow)とは別のモルフとされていましたが、現在は別の系統の同じ遺伝子である事が証明されています。

スーパーバナナ/Super Banana

FacebookやYoutubeで良いスーパー体の写真が見つかりませんでしたが、こちらからスーパーバナナの写真を見る事が出来ます。

スーパーコーラルグロウ/Super Coral Glow

FacebookやYoutubeで良いスーパー体の写真が見つかりませんでしたが、こちらからスーパーコーラルグロウの写真を見る事が出来ます。

バター(レッサープラチナ)/Butter(Lesser Platinum)

特徴
作出者 Reptile Industries / ReptMart
発見年 2001年
モルフ分類 BEL
モルフ特徴
a.k.a

バター(Butter)はブルーアイリューシスティックコンプレックス(Blue Eyed Leucistic complex/BEL)のモルフの一つです。
レッサープラチナ(Lesser Platinum)とは別系統の同一遺伝子と言われているので、バターとまとめています。

基調色が金色を帯びた名褐色となり、そこに黄色みの強いクリーム色の模様が入ります。
模様の色彩は幼体時ほど鮮明で、個体により程度に差は見られるものの成長に伴い暗くなります。

バターの方がレッサープラチナと比べて模様の色調が黄色とされていますが、同一遺伝子なのであればこれは他の遺伝子が影響していると思われます。
もし同一遺伝子だったとしても系統を保持する事は重要です。バターレッサーは区別して管理・交配していくべきでしょう。

BELについて

ブルーアイリューシスティックコンプレックス青い目の白蛇のことになります。
バターを始めとするBELは3種以上の複数種が確認されており、全て同一遺伝子座の遺伝子とされていますので複対立遺伝子となります。

いずれのBELもヘテロ接合ではノーマル表現と明らかに違いますが、ホモ接合体で青目白蛇になる事からノーマル遺伝子に対して不完全顕性(優性)となります。
異なるBEL同士ではそれぞれのホモ接合体と違い、2つの形質が表れる事があります。よってBELの組み合わせによって、共顕性(共優性)又は不完全顕性(優性)となります。

またBELによってうっすらと模様が残るものもあり、模様が残らないタイプのBELとまた違った美しさから人気があります。
これらの事から、BEL同士を交配する事で白さや模様の入り方が異なる青眼白蛇を作出することができます。

モカ(ラテ)/Mocha(Latte)


特徴
作出者 Amir Soleymani[VIP]
発見年 不明
モルフ分類 BEL
モルフ特徴
a.k.a

モカ(Mocha)はBELのモルフの一つです。
ヘテロ接合体では特徴が顕著ではないです。腹部の模様でノーマルと区別出来ますが、類似モルフと区別するのは困難です。

スーパーモカ/Super Mocha

ホモ接合体はこのような全身の模様が消失し、全て白色の体色になり虹彩は青みを帯びた銀色になります。

ルッソ/Russo

特徴
作出者 Cutting Edge Herp
発見年 1998年
モルフ分類 BEL
モルフ特徴
a.k.a ヘテロホワイトダイアモンド(White Diamond),ホワイトダイアモンド(Super White Diamond)

ルッソ(Russo)はBELのモルフの一つです。
ヘテロ接合体ではノーマルと似ていますが模様の体色が明るく、体側の模様と模様の間には明白色や明黄色のハイライトが腹部から巻き上がるように入ります。

スーパールッソ/Super Russo

スーパールッソ(Super Russo)はホワイトダイアモンド(White Diamond)とも呼ばれ、BELの中で最も白く模様が消失することが知られています。

モハベ/Mojave


特徴
作出者 The Snake Keeper
発見年 2000年
モルフ分類 BEL
モルフ特徴
a.k.a

モハベ(Mojave)はBELのモルフの一つです。
基調色が金属のような光沢を帯びた灰黒色で、白色の強い明褐色の模様が入ります。基調色は成長に伴い明るくなり、体側下部を薄っすらと乳白色のベールを覆います。
また模様は退縮してペイズリー柄のようになりまばらに並びます。

GHIとの組み合わせたアルティメット(Ultimate)を初めてとして、他のモルフと組み合わせると劇的に変化することで知られています。
イエローベリーと同様に、他モルフと交配した際に相手が持つ形質を顕著にするエンハンサーとしての役割が強く検証相手として用いられる事が多いです。

スーパーモハベ/Super Mojave

スペシャル/Special


特徴
作出者 Tom Baker
発見年 不明
モルフ分類 BEL
モルフ特徴
a.k.a

スペシャル(Special)はBELのモルフの一つです。
スペシャルはヘテロ接合体の表現型が顕著でないため、ノーマルとの識別は腹部の模様で可能ですが、類似のモルフとの識別は困難です。

スペシャルモハベの組み合わせによるクリスタルというモルフは、スーパースペシャルよりも先に誕生したようです。

スーパースペシャル/Super Special

クリスタル/Crystal

ファントム(ミスティック)/Phantom(Mystic)

特徴
作出者 Ralph Davis Reptiles(Anthony McCain)
発見年 2005年(2005年)
モルフ分類 BEL
モルフ特徴
a.k.a

ファントム(Phantom)はBELのモルフの一つです。
ミスティック(Mystic)とは同一遺伝子の別系統と考えられている為、ここでは同一の項で扱います。
しかし同一遺伝子だったとしても、別の系統として管理されている事から該当遺伝子以外の多因子により若干の差がある為に混ぜて交配せず別に管理すべきと考えられます。

ヘテロ接合体は基調色が黒色で、黒色のスポットや楕円斑を持つ明褐色の模様が表れます。
また模様は退縮してモハベに似た表現型となります。

スーパーファントム(スーパーミスティック)/Super Phantom(Super Mojave)


バンブー/Bamboo


特徴
作出者 EB Noah
発見年 2013
モルフ分類 カラーモルフ
モルフ特徴 BEL
a.k.a

バンブー(Bamboo)は比較的新しいモルフで、BELに分類されるモルフの一つとされています。
バンブーBELの中でも特徴が強く出ます。

ヘテロ接合体でも非常に美しく人気があります。

ファイア


特徴
作出者 Eric Davies
発見年 2003年
モルフ分類 ブラックアイリューシスティック
モルフ特徴
a.k.a

ファイア(Fire)はブラックアイリューシスティックに分類されるモルフの一つです。

ブラックアイリューシスティックとは

ブルーアイリューシスティックとの違いは名前の通り、青眼ではなく黒目のまま白化したモルフになります。
ファイアを始めとするブラックアイリューシスティックは3種以上の複数種が確認されており、全て同一遺伝子座の遺伝子とされていますので複対立遺伝子となります。

いずれのブルーアイリューシスティックもヘテロ接合ではノーマル表現と明らかに違いますが、ホモ接合体で黒目白蛇になる事からノーマル遺伝子に対して不完全顕性(優性)となります。
異なるブラックアイリューシスティック同士ではそれぞれのホモ接合体と違い、2つの形質が表れる事があります。よってBELの組み合わせによって、共顕性(共優性)又は不完全顕性(優性)となります。

またBELによってうっすらと模様が残るものもあり、模様が残らないタイプのBELとまた違った美しさから人気があります。
これらの事から、BEL同士を交配する事で白さや模様の入り方が異なる青眼白蛇を作出することができます。

フレイム/Flame

特徴
作出者 Amir Soleymani[VIP]
発見年 不明
モルフ分類 ブラックアイリューシスティック
モルフ特徴
a.k.a

フレイム(Flame)はブラックアイリューシスティックに分類されるモルフの一つです。

基調色はこげ茶色で、模様は黄色みの強い明褐色。東武は色が明るく抜けパッチ状の不定形斑が入る個体もいます。
ファイアと酷似しており外見で判断するのは困難とされています。

イエローベリー/Yellow Belly

特徴
作出者 Amir Soleymani[VIP]
発見年 1999年
モルフ分類 イエローベリーコンプレックス
モルフ特徴
a.k.a ヘテロアイボリー、アイボリー

イエローベリー(Yellow Belly)はヘテロ接合体ではノーマルと似た表現ですが、模様はオレンジ色がかったこげ茶色になります。
その他の表現もありノーマルとは区別出来ますが、類似モルフとの区別は困難です。

イエローベリーは他モルフと交配した際に相手が持つ形質を顕著にするエンハンサーとしての役割が強く、同様の性質を持つモハベと同様に検証相手として用いられる事が多いです。

コンプレックスとは

ブルーアイリューシスティックブラックアイリューシスティックコンプレックスが付きますが、これは同じ表現型の複対立遺伝子がある場合に用いられるようです。

スーパーイエローベリー/Super Yellow Belly

グラベル/Gravel

こちらで画像を確認できます。

特徴
作出者 The Animal Company
発見年 不明
モルフ分類 イエローベリーコンプレックス
モルフ特徴
a.k.a ヘテロハイウェイ

グラベル(Gravel)はイエローベリーコンプレックスに分類されるモルフの一つです。
ヘテロ接合体では腹部の模様でノーマルとの区別が出来ますが、類似のモルフとの区別は困難です。

グラベルのホモ接合体よりも先にイエローベリーとの交配種であるハイウェイが確認されています。

ハイウェイ/Highway


スーパーグラベル/Super Gravel

こちらスーパーグラベルの画像を確認できます。

スパーク/Spark

特徴
作出者 Amir Soleymani[VIP]
発見年 不明
モルフ分類 イエローベリーコンプレックス
モルフ特徴
a.k.a ヘテロブーマ

スパーク(Spark)はイエローベリーコンプレックスに分類されるモルフの一つです。
イエローベリーコンプレックスの中では最も体色が明るく、模様は透明感のある明黄色で、体側下部には明黄色のハイライトが腹面から巻き上がるように入る。

幼体時は他のイエローベリーコンプレックスと区別が難しいが、成長に伴い可能となる。

スーパースパーク/Super Spark

スペクター/Spector

特徴
作出者 不明
発見年 不明
モルフ分類 イエローベリーコンプレックス
モルフ特徴
a.k.a

スペクター(Spector)はイエローベリーコンプレックスに分類されるモルフの一つです。
ヘテロ接合体では表現型が顕著でない為、腹部の模様でノーマルとの区別は出来ますが他の類似モルフと区別することは困難です。

スーパースペクター/Super Spector

スーパースペクターは全身を黄色みの強い金色が発色し、背面には正中に沿ってストライプが走ります。

シャンパン/Champagne

特徴
作出者 EB Noah
発見年 2005
モルフ分類 カラー&パターンモルフ
モルフ特徴
a.k.a

シャンパン(Champagne)は体色と模様に影響を与えるカラー&パターンモルフです。

模様に関しては基本的には背面に黄色のストライプとそれら途切れたオーバル斑、円形斑が入る以外はほぼ無斑となる。
体色はブロンズ色から黄褐色まで暗さの程度にバリエーションがある。パンプキンシャンパンと呼ばれる成長しても体色がオレンジ色を載せた明るい金色になる個体も存在するが、系統なのか他の遺伝子なのかは不明です。

スーパーシャンパンは2012年にDave Greenによって確認されました。写真はこちらから確認できます。

パステル/Pastel

特徴
作出者 NERD
発見年 1997
モルフ分類 カラーモルフ
モルフ特徴
a.k.a オパール

パステル(Pastel)はボールパイソンの体色に影響を与えるカラーモルフです。

幼体時が最も明るく成長に伴い背面を中心に暗化していきます。この現象はブラウンアウトと呼ばれます。

スーパーパステル/Super Pastel

ホモ接合体であるスーパーパステルはヘテロ接合体に比べより明るい体色になります。

バニラ/Vanilla

特徴
作出者 不明
発見年 不明
モルフ分類 カラーモルフ
モルフ特徴
a.k.a

バニラ(Vanilla)は体色に影響を与えるカラーモルフです。
バニラは体色が一様に明るくなり、東武には明るく抜けた色がパッチ状に入ります。

スーパーバニラ/Super Vanilla

ホモ接合体のスーパーバニラはより体色が明るくなります。

エンチ/Enchi

特徴
作出者 Sweball
発見年 2002
モルフ分類 パターン&カラーモルフ
モルフ特徴
a.k.a

エンチ(Enchi)は模様と体色に影響を与えるパターン&カラーモルフです。
体色は黄色みに濃い暗褐色で、模様の形状は大柄な鞍掛型となります。

ホモ接合体のスーパーエンチはスポットが一切入らないバンド状の鞍掛型模様となります。

ヘテロレッドアザンティック/Het Red Axanthic

特徴
作出者 Corey Woods
発見年 2001
モルフ分類 パターン&カラーモルフ
モルフ特徴
a.k.a

ヘテロレッドアザンティック(Het Red Axanthic)は模様と体色に影響を与えるパターン&カラーモルフです。
ヘテロレッドアザンティックは模様がオリーブ色を帯びた褐色になり、模様と模様の間には腹面から巻き上がるように乳白色や明黄色のハイライトが入ります。
ストライプが走ったように見える個体もいます。

Axanthicなので黄色の発色が抑制され、褐色になり、模様に変化が加えられると覚えると良いでしょう。
ヘテロが敢えて冠されている理由は不明ですが、一般的な共顕性(共優性)と考えて問題なさそうです。

ホモ接合体ではより黄色の抑制が強まります。

スポットノーズ/Spotnose

特徴
作出者 VPI
発見年 2005
モルフ分類 パターンモルフ
モルフ特徴
a.k.a パワーボール

スポットノーズ(Spotnose)は模様に影響のあるパターンモルフです。
吻端板や上唇板などの吻端部に明るい黄土色のスポットが入ります。
模様も同色で色調が明るく、細かく割れる傾向があります。

ホモ接合体は致死遺伝とされていましたが近年確認されました。
模様は更に細かく割れ複雑な柄になります。

シナモンパステル/Cinnamon Pastel


特徴
作出者 Graziani Reptiles Inc.
発見年 2002
モルフ分類 カラーモルフ
モルフ特徴
a.k.a シナモン

シナモンパステル(Cinnamon Pastel)は体色に影響を与えるカラーモルフになります。
ヘテロ接合体では基調色が暗褐色、模様はこげ茶色になります。

スーパーシナモン/Super Cinnamon


ホモ接合体では全ての模様が消失して全身がこげ茶色になります。

ブラックパステル

特徴
作出者 Gulf Coast Reptiles
発見年 2002
モルフ分類 カラーモルフ
モルフ特徴
a.k.a

ブラックパステル(Black Pastel)は体色に影響を与えるカラーモルフになります。
特徴はシナモンと酷似していますが、模様の色調など細かい点が異なります。

ホモ接合体はシナモンと同様に模様が全て消失し、暗褐色が全身を覆います。

シナモンと遺伝子座が同じ複対立遺伝子となります。シナモンとは優劣関係が共顕性(共優性)又は不完全顕性(優性)になり、シナモンxブラックパステルのデザイナーズモルフはエイトボールと呼ばれます。

マホガニー/Mahogany

特徴
作出者 Amir Soleymani[VIP]
発見年 2005
モルフ分類 カラーモルフ
モルフ特徴
a.k.a スーマ

マホガニー(Mahogany)は体色に影響を与えるカラーモルフです。
基調色が黒色で頭部のみマホガニーブラウンになります。模様は黄褐色にこげ茶色が被さるように発色します。

スーパーマホガニー/Super Mahogany

ホモ接合体は暗色系のモルフの中でもインパクトが強いです。

チョコレート/Chocolate

特徴
作出者 BHB Enterprises
発見年 1999
モルフ分類 カラーモルフ
モルフ特徴
a.k.a

チョコレート(Chocolate)は体色に影響を与えるカラーモルフです。
名前の通り全体の色が暗く、基調色は黒褐色で模様はこげ茶色になります。

セーブル/Sable

特徴
作出者 Eric Burkett
発見年 2002
モルフ分類 カラーモルフ
モルフ特徴
a.k.a

セーブル(Sable*)は体色に影響を与えるカラーモルフです。
全体の色調が暗く、基調色は黒褐色、模様は黄色みを帯びたこげ茶色になります。

GHI Ball

特徴
作出者 Matt Lerer
発見年 2007
モルフ分類 カラーモルフ
モルフ特徴
a.k.a

GHI Ballは体色に影響を与えるカラーモルフです。
基調色が黒色、模様は金色に近い黄褐色で焦げたような暗褐色が被さるように発色します。

参考文献


ボールパイソン (見て楽しめる爬虫類・両生類フォトガイドシリーズ)



ビバリウムガイド NO.64 2014年 02月号



The Complete Ball Python: A Comprehensive Guide to Care Breeding and Genetic Mutations



The Ultimate Ball Python: Morph Maker Guide