GEMスノー(GEM Snow)はヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)のモルフの一つで、Reptillian Gem社の作出したモルフです。GEMはジェムと発音します。
ヒョウモントカゲモドキのモルフの中のいわゆるスノーと呼ばれるモルフで、体色から黄色を減少させます。
ヘビのモルフではスノーとは大抵の場合、アザンティック(axanthic)とT-アルビノコンボモルフを指します。
GEM/Mackスノーも黄色みの減少なのでアザンの一種と考える事も出来ると思われますが、恐らく歴史的な背景からアザンではなくスノーと名付けられています。
GEMスノーの特徴
GEMスノーは顕性(優性)遺伝するとされており、共顕性(共優性)遺伝のマックスノーとは違いスーパー体と呼ばれる表現は無いと言われています。
GEMスノーはヘテロ接合のマックスノーと見た目では区別出来るだけの特徴差がないとされています。
ですがマックスノーとは互換性があるとされており、マックスノーとGEMスノーでスーパーマックスノーのような表現の表現型が得られると報告されています。
しかしこの個体を親にする場合は子にマックスノーとGEMスノーのどちらが遺伝されるか解らない為、種親として使うには非常に難しいケースといえます。
互換性について
爬虫類コミュニティでは、しばしば互換性という言葉が使われます。
これは同一遺伝子座内の異なる劣性遺伝子a,bがa/bのような時でも表現型が確認出来る場合に使われます。
ですが遺伝子学では恐らく互換性という言葉はなく、上記は共顕性(共優性)又は不完全優性に分類されます。
スーパー体について
爬虫類コミュニティでは、しばしばスーパー体という言葉が使われます。
これは共顕性(共優性)遺伝する遺伝子がホモ接合した際に得られる、非常に特徴的な表現型を指します。
ですが遺伝子学ではスーパー体という言葉はありません。
共顕性(共優性)遺伝と不完全優性遺伝
本来共顕性(共優性)遺伝とは、同一遺伝子座の複対立遺伝子がa/bの様にヘテロ接合している際にお互いの表現型が完全な形で両方確認出来る事を指します。
ですがマックスノーを始めとする多くの共顕性(共優性)とされるモルフはヘテロ接合で不完全な表現型で、ホモ接合で完全な表現型となります。
これは他の複対立遺伝子は関係ないですし、この様なパターンは不完全顕性(不完全優性)遺伝と分類するのが正しいです。
マックスノーの場合はノーマル遺伝子とマックスノー遺伝子が不完全顕性(不完全優性)の関係にあり、マックスノーがヘテロの場合はマックスノーとノーマル遺伝子の中間形質が得られ、マックスノーがホモ接合でマックスノー本来の表現型が得られる事になります。
以下はマックスノーをM,ノーマルをnと表記しています。
組み合わせ | モルフ | |
---|---|---|
M/M | スーパーマックスノー(ホモ接合マックスノー) | Mの形質が完全に表現型として確認出来る |
M/n | マックスノー(ヘテロ接合マックスノー) | Mとnの優劣関係は不明瞭でどちらかの形質が完全に、もう一方の形質は不完全な状態で確認出来る |
n/n | ノーマル | nの形質が完全に表現型として確認出来る |
TUGスノーとGEMスノー
日本国内ではTUGスノーとGEMスノーは別モルフであると紹介される事が多いです。
ですがUS/EUではTUGスノーは恐らくGEMスノーのリネームであるというのが通説の様です。
ですが現在、TUGスノーとGEMスノーが同一のものではないか?という大本の情報は恐らく公開されておらず詳しい話はブリーダー間で口伝されている状態です。
よって信頼出来る引用元が無い以上、本サイトでは、恐らくリネームであるという通説があるという表現に留めております。
参考図書
ヒョウモントカゲモドキ完全飼育: 飼育・繁殖・さまざまな品種のことがよくわかる (PERFECT PET OWNER’S GUIDES)
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